費用を抑えて海外旅行に行きたい方におすすめの方法は「ホステルに泊まること」。
日本ではあまり馴染みがない方が多いかもしれませんが、欧米ではホステルは特に若い世代に人気の選択肢です。
2023年9月から1年間の世界一周ひとり旅をした私は、訪問した24か国83都市、ほぼすべての国でホステルに泊まりました。
この記事では、私がホステル泊をおすすめする理由、良いホステルの選び方を徹底的に解説します。
ホステルのルール、持ち物は次の記事でまとめます。
海外旅行で宿泊先を検討されている方はぜひ最後まで読んでくださいね!
ひとり旅の味方!ホステルの特徴と魅力

ホステルはシェアスタイルの宿泊施設で、他の宿泊者と交流しながら低予算の旅行を楽しむことができます。
その魅力は多々ありますが、特に次の3点が大きいと考えています。
- 人との出会いが豊富
- 費用を抑えられる
- イベントやツアーの企画が多い
それぞれ詳しく紹介します。
人との出会いが豊富
ホステルでは一般的にドミトリールーム(相部屋)で寝泊まりします。
2段ベッドをいくつか設置した6~12人程度の大部屋が多いです。

ホテルや旅館とは違い個室は少なく、共用のキッチンやリビングスペースが用意されていることが多いため、宿泊者との交流が自然と多くなります。
日本でいうと寮生活のような感じでしょうか。
このホステルでの人との出会いが、私の旅の財産となっています。
宿泊者は様々な国の様々な経歴、職業、年齢の人が入り交じっていて、誰と話しても興味深いです。
一期一会の出会い
コロンビアのカリのホステルで結婚式専門のDJをしているドイツ人のフリーランサーに会いました。
「結婚式にDJ…?」と聞きなれない職業が面白かったのを覚えています。
友人の紹介で始まったビジネスがだんだん大きくなっていった様子を話してくれました。
私の今後の仕事やインスタグラムでの情報共有について色々とアドバイスをくれ、とても有意義な時間でした。
また、アルゼンチンのブエノスアイレスのホステルで出会ったインド人は、パタゴニアを上手に旅する周遊ルートを詳しく教えてくれました。
しかも彼とはその後モロッコとイギリスでもたまたま再会し、なんと3大陸で一緒に旅することになる素敵な出会いでした。

情報交換の場
旅のことは旅人に聞くのが一番!
ホステルでは観光地や周遊ルートについての情報交換が盛んです。
どんな国・都市に行ってきたか、今宿泊しているエリアのおすすめ観光地、出身地のおすすめなどなど、初対面なのに話は意外と尽きないものです。
私は旅に慣れるにしたがって、事前のリサーチをあまりしなくなってしまいました。
旅人は自分のお気に入りの場所や、体験したことやアクティビティを喜んで教えてくれるから。笑
行ってきたばかりの旅人の情報と生の感想がいちばん参考になります。
エクアドルでコトパクシ国立公園に2泊3日で宿泊するツアーをおすすめしてくれたのも、ホステルで出会ったドイツ人から聞いた情報でした。


ガラパゴス諸島に行く予定だったのに「ガラパゴスはまた今度でいっか」となるくらい素敵な体験ができました!
また、イベントやツアーの企画が行われているホステルも多く、地元の文化をより深く体験できるのがホステルの魅力です。
特にひとり旅やバックパッカーにとって、ホステルは新たな出会いや経験をするのにぴったりです。
費用を抑えられる
多くの旅人がホステルを選ぶのは、その安さも大きな理由です。
その分大部屋で寝ることになるのですが、それ以上に得るものが大きいので私は主にホステルに宿泊していました。
大部屋で快適に過ごすコツは次の記事で紹介します!
ホステルは安い!
特に中南米では1泊平均1,500~2,000円程度と非常に安価です。
ヨーロッパはエリアによりますが、1泊平均4,000~6,000円程度です。
ヨーロッパは物価が全体的に高く、また私は2024年のひどい円安の時期に旅行していたので個室のホテルに宿泊するなんて贅沢はできませんでした…!
世界一周ひとり旅にかかった費用はこちらの記事ですべて公開しています。

キッチンを活用しよう
「ホステルに泊まると安い」の秘密は、共有のキッチンを利用できるからです。
キッチンがあるホステルは多く、自炊できるので食費も浮かせることができます。
最低限の調理器具と塩・コショウが置いてあるくらいの品揃えのところが多い印象です。
数日宿泊する場合は卵や野菜などをスーパーで買ってきて自炊していました。
ある程度の期間バックパック旅をする場合は、お米やパスタなどの主食や顆粒だし、インスタントスープの素などを持ち歩くとすぐに調理ができて便利です。
イベントやツアーの企画が多い
ホステルはバックパッカーや旅人が集まるので、街を知るためのツアーやイベントを企画してくれるところが多いのも魅力です。
私のおすすめはウォーキングツアー。ガイドさんが街の魅力や歴史などを教えてくれる、無料の街ぶらツアーです。
中心地を歩いて周るので新しい街の概要をざっくり知るのにぴったり。
他にもホステルによっては朝のヨガ教室やカラオケ大会、パブ巡りなど楽しいイベントを開催しているところも!
また、併設したツアーデスクでツアーを申し込めるホステルも多く、同じツアーに参加するホステルの宿泊者と仲良くなれることも多々ありました。
どの程度イベントやツアーを企画しているかはホステルを予約するときにレビューを見て確認できます。

ホステルの治安も確認しよう
見知らぬ外国人と大部屋で過ごすとなると、心配なのは安全面ですよね。
幸運にも、個人的には1年間の世界一周ひとり旅中に宿泊したホステルでトラブルに遭ったことはまったくありません。
でも旅人から聞く話としてはトラブルは起こりうるようなので、よく聞くトラブルと対策を紹介します。
持ち物の盗難
大勢の他人同士が出入りするので、残念ながらホステルで所持品や現金を盗まれたという話はゼロではありません。
貴重品の管理は徹底しましょう。
多くの場合、大部屋にはロッカーがついています。南京錠で施錠するタイプが多いので1~2個持参しましょう。
外出するときは不要な現金や貴重品、電子機器類などはロッカーに入れて施錠します。
中には寝るときもパスポートなどを入れたセキュリティポーチを身につけて寝る人もいるようですが、私はすっかり油断してやっていませんでした。
防犯対策としてもうひとつ、「同室の人と仲良くなっておく」のも効果的です。
チェックインしたら部屋にいる人と挨拶程度に会話しておいて、顔見知りになっておくのがおすすめです。
顔見知りからは盗難しづらいかなと思ってます。
悪い人はどこにでもいるのでどんな対策も絶対に大丈夫とは言えません。
が、ホステルの宿泊者は純粋に旅を楽しんでいる人の方が圧倒的に多いので、あまり心配しすぎることはないです。
男女混合か女子部屋か

女の子ひとり旅の場合、
「男女混合の大部屋ってどうなの?」
と気になる方もいるかもしれません。
結論から言うと私はどっちでもいいと思っています。
男女混合(mix dorm)か、女子部屋(girls dorm)かによって若干値段が違うことがあるので、私は安い方を選んでいます。
男女混合のデメリットはあまり思いつかないのですが、一度だけ夜中に男性を連れ込んだ女の子がいて同室のだれもが眠れなかったことがありました。笑
着替えはバスルームでするか、カーテン付きのベッドならその中で着替えたりもしていました。
「女の子ひとり旅だから絶対に女子部屋だけに泊まる!」とルールを決めて旅するのはちょっと難しいと思います。
ホステルによっては男女混合の部屋しかない場合もあり、選択肢が狭まってしまうかもしれません。
最初のうちは女子部屋に泊まってみて、様子を見てもいいかもしれませんね。
良いホステルを選ぶポイント
ホステルごとの魅力やコンセプトは様々ですし、あなたの旅のスタイルや性格によっても「良いホステル」の定義は変わってきます。
ここではどのように「自分にとって良いホステルと判断するか」、チェックすべきポイントを紹介します。
利用するサイト・アプリ
おすすめのサイト・アプリは2つあります。どちらのサービスもサイトとアプリで同様に利用できます。
どちらにも多数のホステルが掲載されているので、よさそうなホステルがあったら両方のサイトで値段を比較するとお得です。
Hostelworld
ホステル選びには「Hostelworld」がおすすめです。
世界中のホステルの検索・予約に特化したアプリで、写真やレビューが見やすく、世界一周中に出会ったほとんどの旅人が利用していました。
予約時に宿泊代の数%をオンラインで支払い、現地でチェックイン時に残りを支払うというパターンが多いです。


Booking.com
有名な「Booking.com」も利用しています。
Booking.comはホステルだけではない宿泊施設もたくさん紹介しているので、宿泊するエリアで比較検討するのに便利です。
たくさん利用すればそれだけ会員ランクがアップし割引が効きます。
支払いは宿泊施設によって異なるので、オンラインで支払い済みか、現地で支払いかよく確認することをおすすめします。


ホステルはレビューで吟味する!
まずは総合評価!
HostelworldでもBooking.comでも、まずは総合評価で以下を確認します。
- レビュー数が100件以上あるか
- Hostelworldは合計9.0以上、Booking.comは8.0以上の高評価か
レビュー数が多いということはそれだけ実績があり、宿泊者も多いということ。
その全体の評価が高ければ満足度も高い、「良いホステル」である可能性が高いです。
コメントを見てみよう
次に個別のレビューを見て、細かい評価を確認します。
特に気にしたいのは6.0~8.0くらいの評価をしている人のコメントです。
10点満点の人はただただ「楽しかった」という気持ちが乗っているコメントが多く、逆に1~3点くらいだとトラブルなど特定の出来事で評価が極端に下がっている場合が多いです。
6.0~8.0くらいの人は「全体的によかったけどここだけ直してほしい」などフェアなコメントを残す傾向が強いので、実情がわかりやすく参考になります。
Hostelworldのレビュー項目は以下の通り。
- Value for money(コスパ)
- Security(安全性)
- Atmosphere(雰囲気)
- Cleanliness(衛生面)
- Staff(スタッフの対応)
- Location(位置)
- Facilities(設備)
「Atmosphere(雰囲気)」のポイントが高いと、イベントがよく開催されたり、フレンドリーな人が集まりやすいという特徴があります。
私がホステル選びで重視するポイントはこんな感じです。これは人によるので自分の優先度で考えてみてくださいね。
- Cleanliness:水回りやベッドがきれいか
- Atmosphere:にぎやかな雰囲気か、静かな雰囲気か
- Location:特定の目的地に行きやすいか、また中心地に近いか
- Facilities:キッチンやランドリーなど必要な設備があるか
6.0~8.0くらいのコメントでどこがマイナスだったのかを確認し、自分の優先度と照らし合わせて検討します。
他の人は低評価の部分が自分にとっては気にならない点であることもしばしば。逆もしかりです。
例えば「絶対自炊したい」人には「キッチン」に関する評価は重要ですが、「現地のレストランで食事を楽しみたい」という場合は「キッチン」の優先度は低くなります。
ホステル選びの例
実際にホステルを選んだ時にどのような点を検討したか、実例を踏まえて紹介します!
私はペルーのクスコで2か所のホステルに宿泊しました。
- Viajero Kokopelli Hostel Cusco(総合評価9.4)
- Samay Wasi Youth Hostels-Cusco(総合評価9.0)
クスコのホステル①Viajero
Viajeroは南米で有名なホステルチェーンで、若いバックパッカーが多い活気のあるホステル。

レビューで高評価なのは「Security(9.8)」、「Location(9.8)」。
宿泊客の多い大型のホステルですがロッカーが割り当てられているのと、ベッドにカーテンが付いているのでプライバシーも確保できました。
「Atmosphere(9.2)」も文句なしの高評価で、毎日ウォーキングツアーやイベントを開催しています。
私もウォーキングツアーに参加したメンバーでランチをしたりカラオケ大会に参加したりとわいわい過ごしました。
クスコのホステル②Samai Wasi
Samai Wasiは家族経営の小さなホステルで、イベントなどはなく静かなホステルです。

高評価なのは「Security(9.5)」と「Value for Money(9.2)」。
「Atmosphere(8.9)」は少し低めですが、スタッフさんの対応の良さなどで好印象のコメントも多いです。
街の高い位置にあるので「中心地から少し遠い」というコメントがありますが、「テラスからの景色がよい」という意見も多かったので選びました。
レビュー通り、最高の景色でした!

クスコ到着後はViajeroに数泊して土地勘をつかんだり情報交換に励み、少し落ち着いたところでSamai Wasiに移動してのんびり過ごしました。
ホステルの雰囲気や目的によってホステルを移動するのも楽しいです!
ホステルを選ぶワンポイント
1年間の世界一周ひとり旅をしてきて、私なりにホステル選びのワンポイントを紹介します。
パーティー具合

わいわいお酒を飲んだりたくさんの旅人と出会うのが好きな方は「パーティーホステル」が良いかもしれません。
お酒を飲むイベントが盛んだったり、宿泊者も若くてフレンドリーな人が多いです。
私はお酒を飲まないしあまりパーティーしないタイプなので、時々パーティーホステル、時々静かなホステルとバランス重視でホステルを選んでいました。
ベッドバグ
南京虫とも言われるひどい痒みを引き起こす虫で、バックパックや衣服などにくっついて移動し、ベッドに住みつきます。
万が一遭遇してしまったら服やバックパックなど持ち物をすべて消毒する必要があり、旅では本当に避けたいものです。
世界中から旅人が集まるホステルでは誰かが持ち込んでしまう恐れがあり、注意が必要です。
レビューで「bed bug」とテキスト検索して被害に遭った人がいないか確認しましょう。
レビューに記載がない場合も、チェックインしたらベッドに寝転んだり荷物を置く前に本当にベッドバグがいないか確認するのがおすすめです。
ベッドのシーツをめくってマットレスの四隅に黒い点々がないか、チェックしましょう!
ランドリー
有料のランドリーサービスのあるホステルは多いです。
ただ、日本のように洗濯機と乾燥機があるホステルは少ないようで、自然乾燥するので時間がかかります。
多くの場合、「丸一日かかる」と言われます。
バックパッカーは少ない服を着回すので、洗濯のタイミングが重要です。
ランドリーサービスが必要な場合はチェックイン時にどれくらい時間がかかるか聞いておきましょう。
荷物預かりサービス(Luggage Storage)
多くのホステルでは、チェックインの前後に荷物を預かってくれます。
例えば夜行バスで早朝に到着して、午後のチェックインまでの間に観光したい時などに大きな荷物を預けられるサービスです。
荷物置き用の施錠できる部屋がある場合と、スタッフが受付の後ろで預かってくれる場合があります。
宿泊者であればカギを受け取って部屋に出入りできるためセキュリティ面は怪しいので、貴重品類は肌身離さず持っておくことをおすすめします。
また、複数日のツアーに参加する時などチェックイン後も預かってほしい場合は、有料で受け付けてくれることもあります。受付で相談してみましょう。
朝食付き
お手頃価格で宿泊できるホステルですが、朝食が付いていることも。
パンとコーヒーなど簡単な食事なことが多いです。
フライトなどスケジュールの関係で朝食の時間より早く出発する場合は、受付で相談してみるといいですよ。
クラッカーとジュースなどの軽食を持たせてくれるホステルもありました!

下段のベッド
2段ベッドが多いドミトリーでは、下段を確保するのがおすすめです!
いちいち上り下りをしなくてよいし、床にちょっと荷物を置けて楽ちんです。
2段ベッドって想像以上に揺れて気を遣うんですよね。
しかも、ベッドと壁に隙間があることも多くて、上段から充電器やイヤホンが降ってきたことがあります。笑
私は可能であれば予約時に「できれば下の段をお願いします」と連絡していました。
チェックイン時でも下段の空き状況を聞いてみたら、さらっと変更してくれることもありました!

まとめ
この記事では、ホステルの魅力、安全性、選び方のポイントを解説しました。
旅では宿泊施設が住環境になります。
ホステルを選ぶ際は、ぜひ以下のポイントを押さえて検討してみてください。
- HostelworldかBooking.comで高評価のホステルを選ぶ
- 6.0~8.0くらいの評価をしている人のコメントを見る
- マイナス評価のポイントと自分の優先度を照らし合わせる
- パーティーホステルかどうか、ベッドバグなどワンポイントも確認する
今回は以上です。
ホステルに泊まる際のルール、ドミトリーで快適に過ごす持ち物については次の記事でまとめます!
Have a wonderful day 🙂
may
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